
医療現場のエキスパートを目指すなら【専門看護師】
専門看護師は看護師の資格の中でも、大学院に通う必要があることなどから最も取得難易度が高いとされている資格です。その反面、高い技術と深い知識を持つ看護師として、地域単位での看護ケアに貢献する看護師です。
資格を取得するには
専門看護師は「複雑で解決の難しい看護問題を持つ個人、家族及び集団に対する水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた人」に対して日本看護協会が認定する資格です。専門看護師の資格を取得するためには二つの条件があります。一つ目は5年以上の実践経験があること。二つ目が看護系大学院での修士課程を修了した後に、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位を取得することです。そしてこれらの条件を満たした上で、専門看護師認定審査に合格することで資格を取得することができます。
専門看護師が目指すこと
専門看護師は施設や地域全体の看護の質の向上を目指し、「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の役割を担います。実践では水準の高い卓越した看護を実践すること。看護者を含めたケア提供者に対するコンサルテーションを行うこと。スムーズに必要なケアを提供するための調整を行うこと。権利を守るための倫理的な問題と葛藤の解決を図ること。看護を行う者に対する教育的役割を果たすこと。専門知識及び技術の向上のために実践の場における研究活動を行うこと。以上の6つの役割を果たします。
仕事内容
専門看護師の仕事内容は身につけた専門知識から、医師や薬剤師などの医療スタッフと連携してチーム医療を支えることです。専門看護師の特徴は、患者さんの家族を含めて看護ケアを行うことと、地域と連携して患者さんをサポートすることの2点です。
老人看護分野であれば、退院後を考えて自宅でも看護を行えるよう家族の方にケア方法を教えたり、地域の訪問看護ステーションに働きかけて在宅医療のサポートを行ったりなどの仕事があります。後輩看護師を教育し、育成することも大切な役割のひとつです。
様々なメリット
専門看護師は一般の業務の他にも、現場の人材育成や地域社会を含めた看護活動を行うなど、多くの人に対して看護ケアの影響力を持ちます。その影響は看護者だけではなく、患者さんの家族にまで及ぶのでやりがいが大きい仕事です。そして有資格者が全国に約2100人しかいないため、出世や転職において非常に有用な武器になります。