
介護施設でも引く手あまたな【准看護師】
看護師の資格は准看護師と正看護師の資格があり、それぞれ資格の発行者と担当する業務の範囲が異なります。准看護師の資格と仕事について紹介します。
准看護師の資格について
正看護師免許は厚生労働大臣が発行する国家資格ですが、准看護師免許は都道府県知事が発行しています。しかし正看護師同様に、取得した都道府県に限らず全国どこでも働くことができます。
ふたつの資格の大きな違いは資格の要件です。准看護師は中学校卒業後、准看護師養成所に2年間通うルートが最短です。一方、正看護師は高校を卒業後、看護短期大学か看護専門学校に3年間通う必要があります。そのため准看護師は資格を取得するまでの期間が短いことが利点です。
准看護師の仕事内容
実際の医療現場では、准看護師と正看護師の仕事内容には大きな違いはありませんが、業務における制限が異なります。
資格の取得過程で正看護師は社会や医療現場における役割の基礎を修め、判断力や思考力を培う教育を受けるため、自らの判断により業務を遂行することができます。それに対し、准看護師は技術をメインに学ぶため、どんなに優秀でベテランであっても、医師や歯科医師、正看護師の指示のもとでなければ看護業務を行うことができないのです。
働きながら取得できる強み
准看護師養成所は朝から夕方まで授業がある全日制と、夜間に授業を受ける半日制があります。全日制は週3日授業のところが多く、週5日授業のところでは午後の授業のみという養成所が多いようです。そのためアルバイトをしながら資格取得を目指すことができます。実習が始まり忙しくなる2年目でも短期アルバイトであれば両立させることもできるでしょう。
求人には差がない
准看護師は正看護師に比べると給料が低くなる点は否定できませんが、就職先を探す際は正看護師同様に数多くの求人を見つけることができます。准看護師は中小の病院やクリニックに欠かせない存在ですが、介護福祉士にはできない医療行為ができるため、介護施設などでも引く手あまたです。
正看護師にステップアップできる
1990年代から正看護師と准看護師の一本化に向けて厚生労働省が動いているため、准看護師の資格は今後廃止されることが予想されます。この動きの背景には準看護師の地位と賃金を向上させたい意図があります。そのため今後は准看護師として働いている経験があれば、比較的容易に正看護師へのステップアップの道が開かれることも予想されます。現状でも准看護師としてお金を貯めながら3年勤務すれば、正看護師を目指すこともできます。